EAのバージョンアップによって9つのストラテジーで構成される利大損小百花繚乱EURUSDは、好きなストラテジーのみを稼働できる仕様になりました。
これはとってもありがたいです。作者様へ感謝です。ということで、さっそく9つのストラテジーを一つ一つ分解して収益確認を行ってみました。バックテストのヒストリカルデータはTickstoryのデータを利用しています。
全体のストラテジーを動作させた条件のバックテストはこんな感じです。(2010年-2018年7月)
PFは1.81という数値になっています。勝率は5割というところでしょうか。人気商品が多いスキャルピング系のEAの勝率の高さに慣れてしまっていると、50%の勝率というのはなじむのに時間がかかるかもしれません。
利大損小百花繚乱EURUSD
10年間の1ロット運用で2,400万円の利益 PF2.50超 期待利得10,000円超 利大損小 単一ポジションの正攻法EA
9つのストラテジーをバックテストで分解
2010年から2018年7月までをストラテジーを一つ一つバックテストを行った結果です。一覧表とグラフを添付します。
ストラテジーNo | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
テストバー数 | 211582 | 211582 | 211582 | 211582 | 211582 | 211582 | 211582 | 211582 | 211582 |
モデルティック数 | 96170059 | 96170059 | 96170059 | 96170059 | 96170059 | 96170059 | 96170059 | 96170059 | 96170059 |
モデリング品質 | 0.9 | 0.9 | 0.9 | 0.9 | 0.9 | 0.9 | 0.9 | 0.9 | 0.9 |
不整合チャートエラー | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
初期証拠金 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 |
スプレッド | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 |
純益 | 5598 | 27236 | 8959 | 13373 | 9127 | 20415 | 24062 | 15211 | 32176 |
総利益 | 26432 | 47345 | 35377 | 23183 | 32905 | 37643 | 42754 | 36543 | 51051 |
総損失 | -20834 | -20109 | -26418 | -9810 | -23778 | -17228 | -18692 | -21332 | -18875 |
プロフィットファクタ | 1.27 | 2.35 | 1.34 | 2.36 | 1.38 | 2.18 | 2.29 | 1.71 | 2.70 |
期待利得 | 30.76 | 110.27 | 31.88 | 85.72 | 38.19 | 79.13 | 97.02 | 61.33 | 107.61 |
絶対ドローダウン | 874 | 40 | 775 | 76 | 2731 | 33 | 482 | 230 | 162 |
最大ドローダウン | 3324.00 (18.36%) | 2258.00 (9.46%) | 6642.00 (41.03%) | 1611.00 (7.49%) | 4944.00 (40.48%) | 1904.00 (10.57%) | 2403.00 (17.65%) | 3008.00 (16.09%) | 3117.00 (10.00%) |
相対ドローダウン | 18.36% (2631.00) | 11.88% (2139.00) | 41.03% (6642.00) | 11.49% (1460.00) | 40.48% (4944.00) | 10.57% (1904.00) | 17.65% (2403.00) | 20.55% (2687.00) | 12.86% (2018.00) |
総取引数 | 182 | 247 | 281 | 156 | 239 | 258 | 248 | 248 | 299 |
売りポジション(勝率%) | 123 (39.02%) | 123 (51.22%) | 144 (50.00%) | 127 (59.84%) | 118 (54.24%) | 136 (47.06%) | 156 (46.15%) | 130 (46.15%) | 188 (52.66%) |
買いポジション(勝率%) | 59 (49.15%) | 124 (50.81%) | 137 (51.09%) | 29 (48.28%) | 121 (43.80%) | 122 (56.56%) | 92 (55.43%) | 118 (52.54%) | 111 (59.46%) |
勝率(%) | 77(42.31%) | 126(51.01%) | 142 (50.53%) | 90 (57.69%) | 117 (48.95%) | 133 (51.55%) | 123 (49.60%) | 122 (49.19%) | 165 (55.18%) |
負率 (%) | 105 (57.69%) | 121 (48.99%) | 139 (49.47%) | 66 (42.31%) | 122 (51.05%) | 125 (48.45%) | 125 (50.40%) | 126 (50.81%) | 134 (44.82%) |
最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | |
勝トレード | 915 | 1391 | 1419 | 1075 | 1114 | 1769 | 1419 | 1546 | 1472 |
敗トレード | -740 | -680 | -730 | -700 | -720 | -711 | -680 | -720 | -670 |
平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | |
勝トレード | 343.27 | 375.75 | 249.13 | 257.59 | 281.24 | 283.03 | 347.59 | 299.53 | 309.4 |
敗トレード | -198.42 | -166.19 | -190.06 | -148.64 | -194.9 | -137.82 | -149.54 | -169.3 | -140.86 |
最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | |
連勝(金額) | 5 (2123.00) | 10 (4461.00) | 11 (1337.00) | 7 (2460.00) | 9 (2116.00) | 7 (1763.00) | 7 (1843.00) | 7 (666.00) | 9 (2391.00) |
連敗(金額) | 6 (-1434.00) | 8 (-2554.00) | 5 (-590.00) | 6 (-729.00) | 6 (-1800.00) | 7 (-1104.00) | 6 (-649.00) | 6 (-1304.00) | 7 (-2457.00) |
最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | 最大 | |
連勝(トレード数) | 2123.00 (5) | 4461.00 (10) | 2632.00 (5) | 2460.00 (7) | 2116.00 (9) | 2055.00 (3) | 3540.00 (5) | 2320.00 (6) | 2931.00 (6) |
連敗(トレード数) | -1681.00 (5) | -1688.00 (4) | -1882.00 (4) | -1380.00 (2) | -2387.00 (5) | -1266.00 (5) | -1865.00 (4) | -2110.00 (4) | -2457.00 (7) |
平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | |
連勝 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
連敗 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
つぎにバックテストのグラフを掲載します。これをみれば各々のストラテジーの傾向がわかります。
ストラテジー1
ストラテジー2
ストラテジー3
ストラテジー4
ストラテジー5
ストラテジー6
ストラテジー7
ストラテジー8
ストラテジー9
安定性が高いストラテジーのみ抜き出した結果
安定性が高いストラテジーとして2,4,6,9を抜き出してバックテストした結果です。ここでは長期安定性を確かめるため、バックテストの開始期間を2007年までさかのぼってみました。ストラテジー7もPFは良好ですが、ドローダウンが大きいため外しています。
長期的にも安定性が高いことが確認できました。PFは2.12と良好な成績です。
おまけの考察
利大損小百花繚乱は複数ポジションを同時に持たないロジックです。もし、同時にポジションを複数持つことができた場合との収益を対比してみました。個別でバックテストした結果を合算した場合との対比です。その結果では、複数同時にポジションを持てるほうがトータルの収益は大きくなります。しかし、長期間における結果としてはその差は僅かであることが確認できました。また、途中でマイナス方向の谷ができる区間の波が複数同時にポジションをとるほうが大きいように思います。ここでの対比はレベルを合わせるため2010年からのバックテスト期間としてグラフを作成しています。
本来のEAの収益グラフ(ロジック2,4,6,9)
各ロジックを別稼働とした場合の収益グラフ
利大損小百花繚乱は安定性を高めるため、1ポジしか取り引きを行わない仕様のEAです。利用するストラテジーを自分で選べるようになったので、別々のウインドーで複数のEAを立ち上げておき、個別のロジック毎に利用することも可能かもしれません。しかしながら、複数ポジションをとらないように一つのウインドーでEAを利用するほうが安定的であると判断されます。運用方法の選択肢が増えましたが、どのようにパラメータを設定するかは利用者の手腕にかかってきますね。
掲載内容は筆者が運用するための方向性を検討するために作業したもので、バックテストに利用するヒストリーによって結果は変わってきます。この結果を鵜呑みにするのではなく、各ストラテジーの傾向をつかむ情報としてご利用ください。
↓ ゴゴジャンさんの商品紹介ページはこちら
利大損小百花繚乱EURUSD