EGOIST4 リリース!
EGOISTは多くの購入者がいるEAですが、この進化版として登場したのがEGOIST4です。発売開始は2017/6/22です。
EGOISTを既に持っている方には初回バージョンに限って無償バージョンアップが実施されました。わたしもその恩恵をうけました。
さっそくですが、どのように変わったのか確認してみました。
EAの考え方について
まず、バージョンアップとはいったものの、実際はまったく違うEAであると言えるのかもしれません。と言いますのは、fx-onの販売ページに記載されている説明(EAについて)のとおり、別のESCADA等で利用されている相場判定ロジックと損失管理ロジックを使っているそうです。
もともとのEGOISTは、トレンド判定とRSIでエントリーする仕様となっていたのですが、今回のバージョンアップでは基本的に性質が違うEAであることが示されています。バージョンアップではなく進化!なのです。
バックテストによる比較
バックテストを行った結果から具体的に違うところをみてみました。バックテストの確認は過去10年分相当のUSD/JPYのデータについてTickstoryを用いて作業いたしました。ここでの確認は、スプレッドを日本のFX業者に合わせて1.0に設定して全ティックモデル(詳細モード)で検証しました。
バックテストの結果のグラフは下方に掲載します。まずは、EIGOISTとEGOIST4との結果を表に並べてみると次のことがわかりました。ただ、発注ロットがEGOIST4で変動性になったことから完全な並列での比較はできません。
EGOIST(Ver3) | EGOIST4 | |
開始 | 2007/5/1 | 2007/5/1 |
終了 | 2017/4/30 | 2017/4/30 |
基本ロット | ロット固定0.1 | 複利(初期10000$) |
テストバー数 | 733174 | 733174 |
モデルティック数 | 170814958 | 170814958 |
モデリング品質 | 33.72% | 33.72% |
不整合チャートエラー | 2 | 2 |
初期証拠金 | 10000 | 10000 |
スプレッド | 10(1.0) | 10(1.0) |
純益 | 21209.19 | 20711.35 |
総利益 | 54294.74 | 41086.3 |
総損失 | -33085.55 | -20374.95 |
プロフィットファクタ | 1.64 | 2.02 |
期待利得 | 3.02 | 3.46 |
絶対ドローダウン | 275.33 | 6.37 |
最大ドローダウン | 1069.49 (3.46%) | 1442.75 (6.95%) |
相対ドローダウン | 7.38% (774.82) | 6.95% (1442.75) |
総取引数 | 7034 | 5990 |
売りポジション(勝率%) | 3388 (74.20%) | 3264 (74.66%) |
買いポジション(勝率%) | 3646 (67.39%) | 2726 (74.58%) |
勝率(%) | 4971 (70.67%) | 4470 (74.62%) |
負率 (%) | 2063 (29.33%) | 1520 (25.38%) |
最大 | 最大 | |
勝トレード | 100.71 | 223.14 |
敗トレード | -32.94 | -75.45 |
平均 | 平均 | |
勝トレード | 10.92 | 9.19 |
敗トレード | -16.04 | -13.4 |
最大 | 最大 | |
連勝(金額) | 83 (1356.45) | 105 (1180.42) |
連敗(金額) | 25 (-212.54) | 17 (-200.23) |
最大 | 最大 | |
連勝(トレード数) | 1356.45 (83) | 1372.62 (70) |
連敗(トレード数) | -522.65 (24) | -427.49 (10) |
平均 | 平均 | |
連勝 | 10 | 13 |
連敗 | 4 | 4 |
『相違点』
EGOIST4のロット数は変動性である
これは表ではわからないのですが、取引ロットは複利運用をはずしたとしても、指定した値とすることができない仕様です。どういうことかと言いますと、EAがリスクを自動判定して勝負できるときはロットを大きく、危険があると判断されるときはロットを小さくして発注するように考えられています。
その際は資金量や他のEAを同じMT4で利用していることを想定した余剰金の確保を考えて取引ロットを決めるということのようです。このため、基本的には複利利用という発想で作者様は考えられているのではと思います。進化後のEGOIST4では資金管理を行うロジックが含まれており、資金量に応じた発注管理をしてくれます。
わたしはいつも、複利設定をはずして単一ロットの発注によりEAを利用していますが、今回ばかりはEAの複利設定を利用してみようと思います。最大ポジション数が多い設定ですし、他のEAと併用するのであれば証拠金不足となることがないようにしなければなりません。
なお、EAのパラメーターには証拠金のうち、●%の余裕として確保するように指示ができる仕様となっています。レバレッジが小さい日本のFX業者でも、安心して他のEAと併用するができるように設計されています。これは作者様の粋な配慮ですね。
しかし、最大のポジション数のデフォルト値は以前の仕様と同じ10ポジションです。これはEAのパラメーター設定を自分で変えることでコントロールできるようになっていますが、小さな利益を沢山積み上げるには最大ロットを多く設定するのは仕方ないのでしょうね。リスク管理としては同時にもつポジション数は小さくしたいのがわたしの考えなのですが、難しいところです。
最大ドローダウンが小さい
最大ポジションが10もあれば、同然ながらドローダウン時の影響が心配になるわけです。もともとのEGOISTでもドローダウンが小さいことがウリだったのですが、今回はさらにその影響を受けないように考えられているようです。
ただし、その分利益を上げる方向においても急上昇するようなことが起きにくい設定となっています。まさに安定した運用を望んだEAに進化したということなのだろうと考えました。
勝率の面でも向上しています。安定性を重視した仕様変更であることが数字上でも明確に表れています。
ドローダウンの検証
EGOISTでは2015/9ごろに連敗が続く期間がありました。この時期のドローダウン金額は大きく膨らみ、運用の停止を考えた人が多かったのではと思います。わたしもその一人なのですが、今回の「進化」では連続して負けることが少なくなっているようなので期待できます。EGOISバックテストのグラフでは下図のところがこれに当たります。当時、この時期の連敗は正直びっくりしました。同じ時期のEGOIST4では負けが小さい結果であり、ドローダウンが低く抑えられていることがわかります。
バックテストで確認できたEGOIST4の最大連敗数は10であり、これは最大ロット数と同じ数に該当します。ポジション数が多いEAとしては極めて小さい連敗数です。
長い目でみれば仮に連敗が多かったとしても、右肩上がりに資金が増えていくビジョンを描ければよいことを理屈的にはわかっているつもりです。しかし、リアルトレードでドローダウンが連続すればEAへの信頼が揺らいでしまい、躊躇するのはだれにでもあることだと思います。そういう意味でも最大ポジション数が10もあるEAで、連敗数が低く抑えられるということはとても喜ばしいことです。
確認結果
・これは「進化」であり、いままでのEGOISTとは別物である
・安定した収益を長期的に出すために開発されたEAである
・ドローダウンを抑えたスキャルピングEAに仕上がっている
・ロット固定をした運用は初期バージョンでは不可(今後に期待?)
もともとのEGOISTも優れたEAであると思っていますが、今回の進化で安定性にさらなる期待を持つことができました。
わたしは海外FX口座でも運用を行っているので、スプレッドが大きい場合の影響について次は検証しようと思います。
バックテストは詳細モードで行いましたが、少しだけモデリングにエラーがあるようです。Tickstoryで近日の為替履歴を更新したときの処理の甘さに原因があるのかもしれません。ただ、全体結果への影響はないと思っています。
【EGOISTグラフ】 (Ver3 旧バージョン)
【EGOIST4グラフ】
EGOIST4
EGOISTを進化させました
By gold bridge