FX業者は取引手数料が無料
ここで言う取引手数料とは売買手数料を示します。同じ投資でも株式投資を行うときに取引手数料が安いネット証券会社を選んでいる方が多いことでしょう。では、FXの取引ではどうかというと、実質的に取引手数料が無料となっているFX業者がほとんどです。取引手数料という名目でお金がかかることはありません。その代わりにスプレッドやスワップというFX独特の手数料が発生します。
スプレッドを簡単に言うと
簡単に言えば、取引通貨を売買するときの価格差を示しています。本来、売買が交換取引として考えられるのであれば、売買の価格は同じ時間で同一となります。これは、株式取引では当たり前のことですがFXではここが違います。この取引を行うときの価格差をスプレッドと呼び、この価格差が取引を行うときの手数料としてFX業者の収益になる仕組みです。このスプレッド(価格差)の大小をスプレッドが広い、狭いと表現することがあります。
スプレッドは一律ではない
MT4画面の気配ウインドーで通貨ペアの売買値をみれば、通貨によって価格差が違っていることがわかります。取引きする人が多く、大きな流通量が確保されているペアであるEURUSD,USDJPY等では、その差が小さな表示となっているのではないでしょうか。これらの通貨について特に日本のFX業者ではスプレッドが非常に狭くなっているのが通常です。流通性が高い通貨ペアでは、顧客獲得のためスプレッドを小さくできるように各FX業者でしのぎを削っています。
一方で、たとえば上のように、マイナーな通貨であるアフリカランドと円のペアとドルと円のペアの状況を比較すれば、通貨の価値に対するスプレッドの割合差がわかると思います。マイナーな通貨ではスプレッドが広い設定となっていることが普通です。FXの自動売買を行う通貨ペアのスプレッドがどの程度であるかを把握しておくことは大変重要です。
スプレッドの特徴を知る
スプレッドは取引で利用するFX業者によって異なります。多くの顧客を獲得するため、いかに狭いスプレッドを設定しているかを競う宣伝が目につきますが、そのような宣伝だけを鵜呑みにはできません。
スプレッドは先に述べたように流通性の影響を受けます。このため、取引量が少ない時間帯や突発的な事情により市場に混乱が起きた場合等、スプレッドが拡大します。スプレッドは固定ではなく、FX業者が宣伝している狭いスプレッドの値とは、代表値を示しているに過ぎないのです。
日本時間の朝はスプレッドが拡大する
日本時間の朝方は、NY市場が終了して東京市場がオープンするまでの間、オセアニア市場だけが取引所を開いています。通常、この時間帯は通貨の流通量が小さくなることでスプレッドが広がります。どのようにプレッドが広がるのかをfx-onのサイトにあるスプレッド比較で確認してみると次のようになります。
通常の時間帯のスプレッド
朝のスプレッドが広がる時間帯
朝はスプレッドが狭いと言われているFX業者でも通常のスプレッド値と大きく違う時間帯が発生します。
この時間帯を狙った朝スキャルのEAでは、スプレッドが広がる時間帯と付き合うことになりますので、バックテスト上で設定しているスプレッドより実際は厳しい条件で取引をしています。このようなEAを利用する場合は、通常のスプレッドが狭いだけでなく、朝のスプレッドが開きにくいFX業者を選ぶのもよいでしょう。
スプレッドが狭いFX業者を選ぼう
スプレッドがどのようにFX取引に影響を与えるのか確認しておきましょう。たとえば、スプレッドが10pipの条件でEURUSDを買いでエントリーしたとします。取引が成立した瞬間にその通貨を売るための価格はすでにスプレッド分のマイナスが生じています。
スプレッドがそのまま10pipsで一定とすれば、10pipsを超えて利益が出る側に価格が動いてはじめて損益がプラスになります。したがって、スプレッドが広がっていればそれだけエントリー後の損益がプラスになるラインとエントリー時の価格に差が生じ、利益が出にくいのです。
特にスキャルピングを行うEAでは、小さな値幅で取引を重ねて利益を積み重ねる仕様が多いので、スプレッドが広い業者での自動売買は極めて不利な条件となります。
以上より、スプレッドが狭い業者を選んでおけば、広い業者に比べて自動売買で収益を出せるチャンスが大きくなります。
私はスプレッドが小さいFX業者としてOANDA JAPANを利用しています。先ほど述べた朝方のスプレッドでは広がり幅が大きい傾向があるのが残念ですが、常時のスプレッド値は最強の部類であり、はじめてMT4を利用する人にもおすすめできる業者です。
また、わかりやすいFX業者ということであればFXトレード・フィナンシャルもおすすめです。
参考:pipsとはなにか
pipsとは為替レートが動く時の最少単位を示したものです。
これは通貨の価値が違うので、これをわかりやすくするために通貨の単位で量や差を表したものです。
たとえば、ドルの場合ですが
1pipsを0.0001ドルとして扱っています。
よくFX売買で〇〇pipsを取ったという言い方をしていますが、このように通貨単位の量で利益を示しているのです。
スプレッドを示す場合もこのpipsがよく使われています。
ただし、日本の円に絡む通貨でスプレッドを示す場合は、日本円の価値になじみがある『銭』が使われていることが多いですね。
もし、pipsを円に換算したかったら、1pips=1銭=0.01円で換算します。
ただし、為替の影響を考慮する必要があります。今が110円/ドルであったとすると、円の価値に沿って次のように換算することになります。
ドル1pips = 110/100 × 0.01 = 0.011円
日本人としては、円で換算して考えたほうがわかりやすいですね。
by gold bridge