確定申告の時期は毎度の年度末にやってきますが、時期ではなくてもFXで収益をあげているのであれば、以下のことを再確認してみてください。
サラリーマンの所得の違い
税金の所得は明確に区分されています。投資活動で一言で儲かった!といっても、この区分によって与える影響が違ってきます。このことは、利益がでてから慌てるのでは遅いので、投資活動をしているみなさんが知っている必要があります。
なお、ここに書くことは、基本、サラリーマン等の給与所得者に対応する内容となっています。ご了承願います。
①給与所得
その名の通り、高額所得者(収入2000万円超)は毎年確定申告をしているが、一般サラリーマンは会社が源泉徴収で税金を納めるため、納税にノータッチ!であることがほとんど。嘘がつけないのでガラス張りともよばれる。
②不動産所得
土地や賃貸で不動産収益がある人の所得
③譲渡所得
株や金融商品等の売買での所得
特定口座の源泉徴収による方法と確定申告による方法で税率が異なる
④雑所得
上記区分以外の収入による所得
FXでの利益はどれに該当するでしょう?
なんでも同じですが収益がでたら、税金を払うのです。
FXは雑所得だけどちょっと特殊
サラリーマンであれば、一般に雑所得で計上することになります。ただし、雑所得とはその言葉のとおり、「おこずかい目的で稼いだ一時的なお金」という定義です。もし、定期的に収入が発生する仕組みがある場合は、事業所得として税務署に指導を受けることもあります。
雑所得は複数の所得を合算して課税する「総合課税」という方法がふつうですが、「先物取引やFX」の場合はその枠から外れて「申告分離課税」という方式をとっています。ですが、ここで一つ注意点があります。海外FXの場合は状況が異なります。
国内FXの場合は「申告分離課税」
海外FXの場合は「総合課税」 になるのです。ややこしい!
なお、給与所得者で確定申告の必要がある人の定義ですが以下のとおりです。
⇒ 給与以外において、各種所得の合計が20万円を超える人
各種所得金額とは、利子所得・ 配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・譲渡所得・山林所得・一時所得・雑所得の各々を示します。「総合課税」相当のものと「申告分離課税」相当のもとは合計金額を分離して考えて大丈夫です。
税金の額は?
国内FXは「申告分離課税」なので税率20%と一律です。
沢山儲かっても税率が上がることはないです。
海外FXは「総合課税」なので雑所得の合計に応じて税率が変化します。
課税所得金額
195万円以下 15%
195万円超~330万円以下 20%
330万円超~695万円以下 30%
695万円超~900万円以下 33%
900万円超~1,800万円以下 43%
1,800万円超~ 50%
沢山の雑所得があると、税率が上がることになりますが、195万以下であれば国内FXよりも税率が低くなるようです。
税金を低くする方法
所得とは収入から経費や控除額を引いたものとなります。この経費にはその所得を得るために生じた出費等が計上できますので、FXの勉強に買った本代や自動売買のEAを買った費用、サーバーの運営費等を経費として控除できます。大きな収益が出たときのために、日頃のFXに関する出費は記録しておくのがよいですね。
もう一点、国内FXで利用される「申告分離課税」では、損失金額の繰り越し控除が可能です。その期間は最長3年間となっています。もし、損失があって次の年に収益が生じた場合は、その損失分を所得から控除できます。ただし、収益がマイナスになった年も確定申告を行う必要がでてきたりと、少し手間がかかりますね。
海外FXを含む「総合課税」には損失の繰り越しという概念はありません。あくまで各年の収益で清算することになります。当然、雑所得の合計が20万円を超えなければ確定申告は不要です。
扶養に関する注意点
旦那様の扶養に入られている奥さまは、年収が103万円を超えないようにアルバイトを調整されている方も多いと思います。でもこれはパート等による給与所得を示したものですね。
FXの収入で旦那様の扶養の枠から外れないようにするためには、以下の点に注意しなければなりません。
・103万円の壁はパート代を含む給与所得だけに適用されることに注意
・経費を控除した雑収入が38万円を超えると税務上の扶養枠から外れる
・年間収入合計が130万円以上となると社会保険や厚生年金の扶養枠からも外れる
要するに、アルバイト等を行っているかどうかに関わらず、旦那様の扶養に入られている奥さまがFX等で一定の収益を生んだとき、ただ単に喜んでいられないということです。
また、勤める会社によっては家族手当の計上ルールを独自に設けていることもあるので、旦那様の会社規定も確認しておく必要がありますね。
おこづかい稼ぎにという感覚で旦那様にナイショでFXをやっていた場合など、あとでトラブルの元となる恐れがでてきます。できればナイショではなく、しっかりと夫婦間で話をしていただき、捕らぬ狸の皮算用であっても所得が増加した場合の税務処理等への影響について二人で確認しておくのがよいでしょう。
・専業主婦の奥さまの所得=収入-必要経費-基礎控除
※基礎控除は38万円まで認められます。
合算の結果、奥様の所得が38万円越えなければ確定申告をしなくてよい?
これは正しくはそうではありません。
FX収入を含む雑収入等が基礎控除額(38万円)を超える場合は、しっかり確定申告しておくほうが誤解を生まず安心です。
日本のFX会社からは、税務署さんへ損益結果が通知されているそうです。注意しましょう。
この点についての提案・・・FXの勉強は奥さまがやってみる、でも実際の運用は旦那様がやる。これはFXの知識が無くてもすぐに取引がはじめられるFX自動売買ならではのメリットですね。
by goldbridge